異本十六 太刀のをがはの

昔、男はるかなるほどに行きたりけるに、筑紫のつと、人の乞ひたりけるに、色革やるとて、

みやこよりここまで来ればつともなし太刀のをがはのはしのみぞある

所の名なるべし。

現代語訳

昔、男が都から遠く離れた所にいった時、筑紫のみやげを人々が求めたので、色を染め付けたなめし革をやるということで、それに添えた歌。

みやこよりここまで来ればつともなし太刀のをがはのはしのみぞある

(都から離れてこんな遠くまで来ると、ろくな土産もありません。せめて太刀を吊り下げるのに使う革紐があるばかりです)

「太刀のをがは」というのは、筑紫の地名であるのだろう。

語句

■筑紫 九州北部。 ■つと みやげ。 ■色革 色を染め付けたなめし革。 ■太刀のをがは 「太刀の緒革」。太刀を吊り下げるのに使う革紐。それに「太刀の小川」という地名を掛ける。

『伊勢物語』の朗読と解説音声をダウンロード

「初冠」 「芥川」 「東下り」 「狩の使い」など教科書でよく採りあげられる『伊勢物語』の十二段を朗読し、解説しています。難しい古文の言葉も、耳から聴けば、理解がしやすいです。

▼声はこんな感じです(サンプル音声「初冠」)▼

≫詳しくはこちら

音声つきメールマガジン
「左大臣の古典・歴史の名場面」配信中

日本の歴史・古典について、楽しくわかりやすい解説音声を無料で定期的に受け取ることができます。楽しんで聴いているうちに、日本の歴史・古典について、広く、立体的な知識が身につきます。

いつも使っているメールアドレスを下のボックスに入力して、「無料メルマガを受け取る」ボタンをクリックしてください。

↓↓↓↓↓↓



≫詳しくはこちら

朗読・解説:左大臣光永