異本十五 かはたけ
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昔、すき者ども集まりて物の名をよみけるに、かはたけ、ある男、
小夜ふけてなかばたけゆく久方の月吹きかへせ秋の山風
現代語訳
昔、風流人たちが集まって物の名を詠みこんだ歌を詠んだ所、「かはたけ」という言葉をある男が、
小夜ふけてなかばたけゆく久方の月吹きかへせ秋の山風
(夜が更けて、中空の西に傾いていく月を、登ってきた東のほうに吹き返しておくれ山風よ。そうすればこの素晴らしい夜を、もっと長く楽しめるのに)
語句
■すき者 風流人。 ■物の名をよみけるに 物の名を詠みこんだ歌を詠んだ時に。 ■かはたけ 皮茸。食用きのこ。 ■久方の 「月」にかかる枕詞。 ■小夜ふけて… 「なかばたけゆく」に「かはたけ」が詠みこまれている。
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朗読・解説:左大臣光永