百十九 形見

むかし、女のあだなる男の形見とておきたる物どもを見て、

かたみこそいまはあたなれこれなくは忘るる時もあらましものを

現代語訳

昔、女が、浮気な男が形見として残しておいた多くの物を見て、

この形見こそ今は辛いものです。これさえ無ければあの人を忘れる時もあるでしょうに。

語句

■あだなり 薄情。浮気な。

解説

これは、現在でもわかりやすい話ではないでしょうか。別れた相手が、何か形見を残していったんですね。この形見さえなかったら忘れられるのに。これがあるがために、何度も思い出す。切ない気持ちになる。でも、だからといって捨てることができない。ああ!そんな気持ちです。

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