百十八 玉葛

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むかし、男、久しく音もせで、「忘るる心もなし、まゐり来む」といへりければ、

玉かづらはふ木あまたになりぬればたえぬ心のうれしげもなし

現代語訳

昔、男が女のもとに久しく連絡もしないで、「忘れる心も無い。参上しよう」と言ったので、

貴方はつる草のように、あちこちの木に絡み付いていらっしゃるのですから、私への気持ちが絶えてないといわれたところで、ちっとも嬉しくないです。

語句

■「玉かづら…」 「玉葛」の「玉」は美称。「葛」はつる草で、木にからみつく。

解説

浮気性の男がたまに訪ねてきた時、女がうれしくもないです。どうせほうぼうで、ちょっかい出しているんでしょという歌です。

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